“遊ぶた(ASOBUTA)”について
豚たちをどのように育てるか、どんな豚を生産するのか考えた時に、真っ先に浮かんだのが、
放牧で飼うこと、エサは農産副産物で飼うということでした。
現代の養豚では、豚は豚舎内で飼育され、柔らかい肉質や早い成長させるために、輸入穀物が主体の配合飼料が給与されています。本来人間が食べるものをエサにして、効率よく美味しい肉をつくる努力が払われています。
実に、わが国で消費される穀物の半分以上は家畜の飼料に使われています。
しかし、本来、家畜は人間が食べられないもの、食べ残したものをエサとして飼育され、人間に有用な畜産物を生産する能力を持っています。
私は長年、北海道大学で家畜の生産、とくに放牧やエサ、環境等についての教育研究をしてきました。定年後に自分で牧場をやると決めた時から、動物たちをできるだけ自然な環境で、本来あるべき姿で飼いたいと考え、放牧と副産物を利用した飼い方を選びました。
放牧でゆっくり時間をかけて育て、副産物を利用したエサを与えて育てる中で、できる限り美味しく食べていただける豚たちを生産したいと思っています。
北海道 十勝には多くの畑作・酪農副産物があり、更に十分に運動ができる広い放牧地を確保することができます。この恵まれた大地で、豚たちを育てることができる事に感謝し、豚本来の能力を発揮し、“人“が大好きな豚たちとの触れ合いを大切に、人と自然に暮らす、生き生きとした豚たちを育ていきます。
遊ぶたの育て方~成長パターン~
遊ぶたは、普通の豚より
じっくり時間をかけて大きく育てます。
普通の豚は生後6カ月・体重115kg前後で肉になりますが、遊ぶたは12カ月以上の時間かけて体重200kg程度まで育てるので、成熟した味わいのある肉になります。
遊ぶたの育て方~住まいと遊び場~
一年を通じて放牧地で自由に暮らします
冬の寒さにも負けず、新鮮な空気を呼吸しながら
太陽をいっぱいに浴びて育ちます
広い放牧地を走ったり、草や土を食べたり、土を掘り返して遊んだり、
昼寝も日課です。小屋には乾草が敷き詰めてあり、冬でも温かいです。
遊ぶたの育て方~給与飼料~
十勝の畑作・酪農からでてくる副産物を食べて育ちます
人間が利用できない資源をエサとして肉を生産することは、
豚本来の能力です。その能力を生かして、廃棄されている農産副産物をエサとして最大限利用しています。
配合飼料に依らず、農産副産物を使うことが、結果的に
”遊ぶた“のあっさりとした脂肪の味わいにつながります。
主な副産物:ナガイモ、小麦、大豆、ユリ根、ジャガイモ、ホエーなど